留学生の就職活動
経済のグローバル化が進む中、日本国内でも留学生の採用に積極的な企業が増えてきています。
しかし、求められるスキルやコミュニケーション能力のレベルは高いです。
留学生に求められる資質を慎重に見極め、選考に臨みたいところです。
POINT
- ● キャリアセンターの求人や外国人雇用サービスセンターなど、様々な場所とメディアから情報収集をしましょう。
- ● 日本で就職する理由を企業側に明確に伝えられるようにしましょう。
- ● 日本で就職したいという熱意を伝えられるように面接に臨みましょう。
留学生の就職状況
ビジネスのグローバル化が進む中、日本政府は経済社会の活性化や一層の国際化を図る観点から、専門的、技術的分野で外国人の受け入れを積極的に推進しています。入国管理局の統計によると平成30年は、25,942人の留学生が日本企業に就職するため、在留許可が下りました。その内定先を業種別で見ると、製造業が6,327人で18.4%、非製造業に28,139人で81.6%。亜大生になじみのある非製造業で見るとコンピュータ関連が8.2%、商業・貿易分野8.3%と上位を占めています。就職先での職務内容は翻訳・通訳が9,884人(23.6%)で最も多いですが、次いで販売・営業(5,615人、13.4%)、海外業務(3,753人、9.0%)、技術開発(情報処理分野)(2,717人、6.5%)の順となり、語学を生かす職務が求められていることがわかります。企業内のグローバル環境の整備や、内需型の企業が海外事業を拡大する動きがあり、現地と日本の橋渡し役として外国人留学生に期待する企業は増えています。会社規模も大手だけではありません。中小企業の採用も年々増えています。しかしながら社内の受け入れ体制が未整備な企業も多いです。学生に高い日本語力を求めるにも関わらず、日本語コミュニケーション能力の研修を実施するなどの教育体制が整っている企業は少なく課題は残ります。しっかりとリサーチし、早めの対策を講じましょう。
亜細亜大学留学生の就職状況
亜細亜大学の留学生を見ると、日本の企業に就職する学生も少なくありません。亜細亜大学出身のたくさんの先輩が日本企業で活躍しています。亜細亜大学の多くの留学生が就職先で就く職務は、全国の留学生と変わらず、翻訳・通訳や語学力を生かした貿易事務、販売や現地法人での営業などのケースが多いです。過去の留学生の採用実績から、亜細亜大学の留学生に期待し、留学生を指名してキャリアセンターへ求人してくる企業もあります。日本企業への就職を考えているならば、キャリアセンターへ相談しましょう。
留学生の就職活動の流れ
留学生が日本企業への就職を希望する際の就職活動は、日本学生と変わりません。国籍を問わず、優秀な人材を求める企業が増えているからです。基本的な流れとしては、企業の採用情報の収集をした後に、志望企業にエントリーし、筆記試験を受け、面接を経て内定となります。しかし、採用枠が日本人学生と一緒の企業もあれば、「グローバル採用」というかたちで採用枠を設けている企業もあるので、あらかじめ確認をしましょう。
亜細亜大学留学生の過去の主な就職先
(株)アスク/アルテック(株)/東海運(株)/イートン(株)/(株)エイチ・アイ・エス/SGホールディングス(株)/(株)エトワール海渡/(株)NHKエンタープライズ/NCS&A(株)/大塚製薬(株)/大船企業日本(株)/(株)オシキリ/(株)加藤製作所/カモメツーリスト(株)/(株)共立/(株)共立メンテナンス/(株)京王プラザホテル/ケーヨーリゾート開発合同会社(シェラトン•グランデ•トーキョーベイ•ホテル)/クリヤマ(株)/サマンサタバサグループ/(株)三景/(株)サンリオエンターテイメント/三和エナジー(株)/ジェイズ・コミュニケーション(株)/(株)ニトリ/ジュングループ/(株)JVCケンウッド/スガツネ工業(株)/住友化学(株)/セコム(株)/(株)セブン-イレブン・ジャパン/全日本空輸(株)/(株)高木商会/(株)タチエス/(株)タニタ/招商銀行(中国)/中国信託商業銀行(中国)/TGL JAPAN(株)/ティアック(株)/(株)寺岡精工/東急ファイナンスアンドアカウンティング(株)/東⻄(株)/(株)東芝/東洋冷蔵(株)/⻄尾レントオール(株)/日本ATM(株)/日本システムウエア(株)/日本電気(株)/日本プロパテー(株)/(株)日本マイクロ二クス/日本大和通商(株)/(株)日本旅行/日本瑞友テクノロジー(株)/(株)ハイシンクジャパン/パナソニック(株)/日立オートモティブシステムズ(株)/(株)ファミリア/(株)ファンケル/フォスター電機(株)/藤田観光(株)/富士通(株)/(株)富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ/マスターピース・グループ(株)/松田産業(株)/ミネベアミツミ(株)/(株)ユニクロ/(株)ヨコハマシステムズ/ルネサスエレクトロニクス(株)
在留資格の変更
内定に至っても、留学ビザから就労ビザへ在留資格変更の許可が下りなくては、元も子もありません。日本企業は在留資格について、よく知らない場合もあるので、不許可とならないように、確認して応募先企業を決めましょう。在留資格変更許可のポイントは以下の通りです。
1 大学で勉強したことと関連性のある仕事か、母国語を必要とする業務に就くことが前提です。今までの在留経緯や在留状況も審査の対象となります。
2 学歴(専攻、研究内容など)や経歴から相応の技術・知識などを有しているか。
3 従事しようとする職務内容が、本人の有する技術・知識を生かせるようなものか。
4 処遇(報酬)が適当であるか(同じ仕事をする日本人と同等額以上)。
5 雇用企業などの規模・実績から安定性・継続性が見込まれ、さらに本人の職務が生かされるための機会が実際に提供されるか。
※上記に加え、平成 31 年 4 月より新たな在留資格「特定技能」が創設されました。これにより人材確保の難しい特定産業分野での人材受け入れが可能となりました。
これらを念頭に企業や職種選びをしましょう。そして、内定を受けたら、必要書類の準備を内定先の採用担当者に依頼し、1月以降(1月4日以降受付)に必要書類をそろえて最寄りの入国管理局へ申請し、入社前に許可を受けておくことが重要です。
留学生に求められるスキル
企業側の留学生の採用基準は日本語能力の一定レベル以上の高さだけでなく、日本人の新卒学生採用と同様に、本人の資質や専門性が重視されます。特に日本語能力に関しては、相手に応じて使い分ける敬語表現や、電話やメールなどの非対面型のコミュニケーション能力、会議などでのプレゼンテーション能力、また日本の新卒学生同様に、情報収集力、読解力、文章構成の論理力、企画書や報告書作成時に必要なコンピュータスキルなど、ビジネスを進めるうえでのコミュニケーション能力が求められます。また、組織内で働く際に必要な協調性、日本特有の企業文化・商習慣などへの順応性も求められています。例えば、上司に「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」をする、といったビジネスマナーや社内の上下関係、日本人の仕事の進め方などへの理解がありそうかも採用基準に含まれます。これらは学生のうちから、アルバイトやインターンシップなどの経験を通して、身に付けておきましょう。職種別で見ると事務系では、日本語を含めた高い語学力、専門的なスキル・資格が、技術系では論理性や専門性などが求められる傾向にあります。在学中に専門性の高い資格を取得しておくと企業へのアピール度も高くなるでしょう。まずは、自分がやりたい仕事には、どんな専門性やスキルが求められるのかを確認してみましょう。
求人情報の収集ポイント
では、実際の就職活動の具体的な方法を見ていきましょう。まずは情報収集ですが、留学生の求人情報を集めるポイントは次の通りです。
① キャリアセンター
留学生対象の求人情報が寄せられるので、こまめに確認しに行きましょう。キャリアセンターには留学生専用の情報案内ラックもあります。また、東京外国人雇用サービスセンターの職員が来校しているので、活用しましょう。
②東京外国人雇用サービスセンター
新宿区⻄新宿にある東京外国人雇用サービスセンターでは、留学生などの日本に在住する外国人に対して、専門的・技術的職業の相談・紹介のほか、就職セミナー、就職面接会を行っています。
③留学生専用就職情報サイト
日本人学生と同じ方法で『リクナビ(https://www.rikunabi.com/)』などの就職情報サイトから求人情報を集める方法もありますが、『キャリアフォーラム(https://careerforum.net/)』などのバイリンガルの求人が集まっているサイトも多くあるので、アクセスしてみましょう。
④企業の採用ホームページ
留学生を積極的に受け入れている企業は世界的な製造メーカーや外資系企業などが多いです。その中でも「グローバル採用」をうたっている企業がねらい目です。「グローバル採用」とは「国籍を問わず、世界で活躍できる人材」を採用することです。「グローバル採用」の枠を別に設け、採用ホームページを日本人学生と分けている場合もあれば、日本人学生と同様の入り口から採用を行っている企業もあります。気になる企業の採用ホームページをチェックしてみましょう。
⑤過去の採用実績企業
今年、キャリアセンターに求人が来ていなくても、問い合わせてみたら担当者が会ってくれて、そこから選考に進み内定に至ったというケースもあります。それだけ、亜細亜大学の留学生を評価してくれているということです。興味のある企業があったら、まずは連絡をとってみましょう。
⑥知人の紹介
では、実際の就職活動の具体的な方法を見ていきましょう。まずは情報収集ですが、留学生の求人情報を集めるポイントは次の通りです。日本の知人やアルバイト先の社員の人などに、留学生の求人について情報がないか聞いてみましょう。また、留学生の先輩に聞いてみるのもいいでしょう。
⑦海外進出企業総覧
世界 140 カ国へ進出する日本企業の海外戦略、現地法人、支店、駐在員事務所などのデータが詳細に紹介されています。現地法人などで、採用があるかもしれないので、問い合わせてみる価値はあります。
⑧英字新聞
『ジャパンタイムズ』には毎週月曜日に、外国語を話せる人を対象とした求人情報が掲載されています。留学生の就職活動は日本人の学生よりも⻑引く可能性もあるので、困ったことがあればキャリアセンターに相談に行きましょう。⻑年、留学生をサポートしてきた経験からいろいろなアドバイスをしてくれますし、日本企業の習慣やビジネス社会についてもいろいろ教えてくれます。
面接でよく聞かれる質問 10
①日本に留学した理由
②日本企業への就職動機
③どうしてこの企業に入りたいのか
④どんな仕事をしたいのか
⑤日本での就労希望年数、現地法人への赴任など将来の計画について
⑥大学での専攻、卒業論文の内容など専門分野に関すること
⑦日本語、英語はどの程度使いこなせるか
⑧過去の職歴(兵役のある国の場合は、その期間を含む)
⑨最近起きた大きなニュース、今日の新聞の内容など時事的なこと
⑩ 趣味、学生時代のサークルなど、本人の人柄に関することや自己 PR