業界を知ろう

キャリアをデザインしていくうえで、この社会にどのような業界があるかを知ることはとても重要なことです。
まずは、消費者の手にものが届くまでの様々な過程を知ることで社会の成り立ちを理解し、
さらにそうした社会の流れの中にどのような分類の業界が存在するのかを学びましょう。

    POINT

  • ●消費者の手にモノやサービスが届くまでの過程を把握しましょう。
  • ●自分の志望する業界はどのようなポジションにあるのか改めて考えてみましょう。
  • ●産業の仕組みを理解することで志望する会社の重要性がわかります。

産業界の全体像をつかもう

産業の流れの基本とは

消費者の手にモノやサービスが届くまでは様々な過程があります。産業の源流には、モノをつくるメーカーがあり、企業にモノを売り込む商社も。その先にはモノを輸出入する物流会社の関わりもあります。川下には小売があり、小売を通じて消費者のもとにモノやサービスが届くのです。また下の図にあるように航空関連を志望する場合は少々複雑です。航空会社は航空機を用いて人やモノを輸送する航空輸送産業に区分けされますが、機体、エンジン、装備部品を開発して航空機をつくる航空機産業の一部でもあります。しかも航空会社の周辺には航空機の保守・整備を行う会社や情報システム会社、機内食をつくるケータリング会社、そして空港運営会社など、一口に航空関連といえども、様々な業界や企業があります。この仕組みが理解できると、その産業規模はどれくらいかが推測できるようになります。それは社会のシステムを把握するために重要な第一歩です。

産業界における業界のポジション
例)航空関連を志望する場合

※コロナウイルスの感染拡大の影響で採用を控える企業もあります。広い視野を持って業界・企業研究をしましょう。

志望業界のポジションを知ることが大切

     

では、なぜ社会のシステムを理解することが求められるのでしょうか?就職を考え、会社を選ぶようになったとき、その会社が一体何をしているのかを正しく知らなければ、例えそこに入社したとしても、あなたが思い描いた仕事ができないかもしれません。反対にまるで興味のなかった業界が、実は自分が一番求めていた役割を担っているかもしれません。会社の置かれているポジションを知らなければ、自分に求められている役割を正しく理解することは難しいでしょう。例えば工場を建設する建設会社であれば、製品をつくることのできる場所を確保するだけでなく、安全に製造でき、効率的な生産が可能となる作業場の図面を引くなど、様々な役割を担っています。自分が志望する業界がどんな位置付けなのかを知ることは、あなたが将来を考えるときに非常に重要なことです。

主な業界分類を知ろう

                   
建設・不動産業建設業界には、工事計画から施工管理までを取り仕切るゼネコンと呼ばれる大手建設会社と99%以上の中小企業で構成されています。不動産業界は、商業ビルやマンションを開発・分譲するデベロッパー、不動産を賃貸する賃貸業、不動産流通の仲介をする流通業界、そしてマンションやビルの管理を行う管理業で構成されています。
メーカー 「モノづくりに関わる業界」のことをメーカーといいます。一口にメーカーといっても、自動車、電化製品、食品、医薬品、化粧品、アパレルなど私たちの生活に身近なものから、化学品、鉄鋼、非鉄金属、造船、機械など、耳慣れないものまで多岐にわたります。
商社 商社とは、メーカーと小売業者の仲介役として、国内外の商品を販売する業界です。大別すると総合商社と専門商社に分かれます。総合商社の扱う商品は資源はもちろん、金融、物流、コンサルティングといったサービスまで幅広い。それに対し専門商社とは、それぞれの専門分野に特化しています。
流通・小売業スーパー、コンビニエンスストア、百貨店、量販店、専門店、ドラッグストアなど、消費者に直接商品を販売する業界を流通・小売業という。近年は、ネット通販が伸びており、インターネットとリアル店舗の融合した新しい小売業態が定着しつつあります。
金融業 三菱UFJ、みずほ、三井住友といった3大メガバンクを中心に、信託銀行、地方銀行、第二地銀、信用組合などで構成される銀行業界、証券業界、保険業界、それにリース、クレジットなどで構成されるノンバンク業界を総称して金融業といいます。
運輸業 航空、陸運、鉄道、海運、倉庫などからなる業界をいう。ただ輸送するだけでなく、保管や流通加工、そして物流全体のシステム管理なども手がける。また、航空会社が飛行機で乗客を運ぶことや手紙などの配達業も運輸業に入るため、業務内容は多岐にわたっています。
情報・通信業 情報・通信業は、ソフトウェア、情報サービス系、通信、インターネットサービスなどで構成されます。ソフトウェアというと理系のイメージがあるが、営業職など文系でも活躍できる場所があります。通信は主に、移動電気通信業(携帯電話)と、テレビ・放送業界に分類されます。またマスメディア関係の事業も広くは情報・通信業に分類されます。
サービス業 サービス業は、生活者にサービスを売る業界を指し、旅行業、ホテル業、リース・レンタル業、非営利団体で構成されます。また、幼稚園や小学校、中学校、高等学校、大学といった教育期間や予備校や学習塾などの教育サービス業、人材派遣業もこの分野に含まれます。

BtoB(Business to Business) の業界にも注目しましょう

企業を対象とした取引を行うビジネスを、B to B(Business toBusiness)と呼び、最終消費者を対象とするビジネスを B to C(Business to Consumer)と呼びます。学生のみなさんが日常生活や CM などで知っている企業は圧倒的に B to Cですが、B to Bの企業は素材や部品、システムやサービスなど非常に幅広く、実は身近な製品に深く関係しているのです。とりわけ、日本のメーカーが持つ技術力は世界でも非常に優れているといわれていますが、この技術力を支えているのが、素材や部品をはじめとする生産財や産業財、つまり、B to Bの業界です。B to Bの業界には、学生には知名度が低くても、世界に誇れる優良企業がたくさんあります。B to C企業しか見ない学生は、就職活動に失敗するケースが多いという事実もあります。B to B の業界もしっかりと研究しましょう。

業界・企業の特徴

BtoB(Business to Business)

                 
  • ・顧客は法人・組織です。
  •              
  • ・商品の多くは、生産活動や業務遂行のために必要なビジネス財です。
  •              
  • ・購買決定までに多くの部署や人が関わり、合理的かつ客観的に判断されます。

BtoC(Business to Consumer)

                 
  • ・顧客は個人です。
  •              
  • ・商品の多くは、一般消費者のために必要な日用品です。
  •              
  • ・購買決定までに多くの部署や人が関わり、合理的かつ客観的に判断されます。
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