公務員
公務員は、国⺠のために働く非常にやりがいのある仕事です。
このページでは公務員試験の概要やその対策を紹介します。
POINT
- ● 公務員の仕事を理解し、どの職種が適性に合うのか理解しましょう。
- ● 試験対策は情報収集が大切、試験日程から併願スケジュールを立てましょう。
- ● 効率的な試験対策をするため、出題配分の高い科目を重視しましょう。
公務員ってどんな仕事?
公務員は、大きく国家公務員と地方公務員の二つに分けられます。国家公務員(自衛官や皇宮警察官を含む)は、行政機関や国会・裁判所などの国家機関で働き、政策の企画立案から法律の整備、国会・議会の対応など、管轄する分野のスペシャリストとして国⺠生活の基盤を支える仕事をします。一方、地方公務員(警察官や消防官を含む)は、都道府県や市町村の職員として、各種の行政サービスを行っています。住⺠に近い立場で働くため、仕事のやりがいや成果を感じやすいのが特徴です。一口に「公務員」といっても、様々な職種があるので、しっかりと内容を理解し、どの職種が自分の適性に合うかを見極めましょう。
情報収集が対策の鍵
目指す職種が決まったら、情報収集を始めましょう。試験日や受験資格、試験内容などは特に大事です。
国家公務員の場合は、採用情報ナビ(https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.html)で情報が得られます。地方公務員志望の場合は、各自治体の HP などを参考にしましょう。都道府県によっては、学歴や年齢に制限がある場合もあるので注意しましょう。公務員試験の対策は、過去の問題を重点的に解くことが有効です。その繰り返しで、問題の傾向がつかめ、実戦感覚も養えます。さらに自分の弱点も見えるので、学習の方向性を定めやすくなります。また、その時点での実力を把握するため、模擬試験も積極的に受験しましょう。
公務員試験の内容を知ろう
公務員試験は、主に「筆記試験」「論作文試験」「面接試験」に分けられます(下図参照)。筆記試験は、大きく分けて「基礎能力(教養)試験」と「専門試験」があり、中でも「専門試験」は択一式と記述式の2種類の試験があります。ただし、どの公務員もすべての試験を課せられるわけではありません。公務員の種類によって、試験内容は異なるのできちんと確認しましょう。【(例)国税専門官の試験内容、基礎能力(教養)試験、専門試験(択一式)、専門試験(記述式)】また、公務員試験は科目数が多いため、負担を感じてしまいがちだが、併願受験することができます。どの公務員試験にも出題される科目を重点的に勉強しましょう。
主な公務員試験の種類
基礎能力(教養)試験 | 一般知能分野(数的推理、資料解釈、判断推理と文章理解)と一般知識分野(社会科学、人文科学、自然科学)の 2部から構成されています。 |
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専門試験(択一式)、専門試験(記述式) | 専門試験は、「法律」「経済」「行政」「その他」の区分に分かれます。 ※国家一般職(行政職)の試験の場合は、16科目の中から、基本的に得意な8科目を解答します。 ※国税専門官などの国家専門職では択一式と記述式の両方を受ける必要があります。 |
論作文試験 | 出題内容のほとんどが、社会事情または経済事情に関することです。そのため、普段から新聞やニュースでアンテ ナを張り、自分の考えを文章表現できる対策をしておきましょう。 |
面接試験 | 国家公務員試験の場合、1次試験を筆記試験、2次試験において面接試験を実施しています。これは、個別面接です。 |
その他の試験内容
● 市役所
市役所の1次試験は、共通問題を出題する自治体もあります。大きく分けて、A日程(6月下旬)、B日程(7月下旬)、C日程(9月下旬)と三つの日程の統一試験日を設けています。
1次試験 (筆記試験) | 市役所の試験科目もまちまちです。国家公務員の試験と同様に基礎能力(教養)試験と専門試験の両方を課す自治体もあれば、基礎能 力(教養)試験のみで受験できるところもあります。また、最近では、SPI3やSCOA など、⺠間企業と同様の適性検査を実施する団体もあります。 A日程(6月下旬):規模の大きな都市が該当します。基礎能力(教養)試験と専門試験の両方が課されています。 B日程(7月下旬):地域的な偏りはなく、全国的に広く見られます。比較的A日程より難易度が低く、基礎的な事項の出題が多い傾向にあります。また、専門試験がない市役所もあります。 C日程(9月下旬):全国的に多くの市役所が試験をこの時期に実施します。出題も基礎能力(教養)試験のみ又はSPI3などの適性検査を導入している傾向にあります。 |
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2次試験 (面接試験) | 2次試験で面接を実施する場合が多いですが、中には、1次試験日に筆記試験と合わせて面接試験を実施するところもあります。通常、試験形態は個別面接又は集団面接ですが、3次試験、4次試験と選考が多い場合、集団討論やプレゼンテーションを含め、複数の面接試験を重ねるところもあります。 |
● 警察官
警察官の試験は、都道府県ごとに行われます。大卒程度の試験を「警察官A」又は「I類」という試験区分又は試験職種としています。また、男性と女性に分けて募集しているのが、ほとんどです。
第一次試験 | 基礎能力(教養)試験 | 一般知識分野と一般知能分野がほぼ同数で出題されています。※専門試験はほとんど課されていません。 |
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〃 | 論作文 | 60 〜 120 分、字数は600 〜 1200 字程度。 警察官の試験と異なり、一般行政職と同じように「社会時事問題と職務との関連性」が高い出題傾向にあります。 (例)「あなたが警察官を志望した理由と心構えについて述べなさい。」 「あなたにとって交番はどのような存在か、住⺠にとって交番が安全、安心の拠り所であるため に、警察官としてどのように行動すべきか述べなさい。」などです。 |
第二次試験 | 面接試験 | 個別面接の形態が多いです。中には集団討論も実施する地域もあります。 |
〃 | 身体検査、体力検査 | 体力検査の種目は腕立て伏せ、反復横跳び、上体起こしなど。一次試験の中で実施する地域もあります。 |
● 消防官
消防官は、市町村単位で実施されますが、規模により複数の自治体が共同の広域連合や事務連合を組織して、消防本部を置く場合、この組織で試験を実施します。ただし、東京消防庁は島しょ地域と多摩地域の一部(東久留米市、稲城市)を除いた東京都の全域で採用活動を行うため、例外的です。
第一次試験 | 基礎能力(教養)試験 | 一般知識分野と一般知能分野から出題されます。なお、政令指定都市の場合は、一般行政職と同じ日に実施するため、共通問題であることが多いです。※専門試験はほとんど課されていません。 |
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〃 | 論作文 | 警察官の試験と異なり、一般行政職と同じように「社会時事問題と職務との関連性」が高い出題傾向にあります。 |
第二次試験 | 面接試験 | 個別面接の形態が多いです。 |
〃 | 身体検査、体力検査 | 体力検査の種目は持久走(1Km)、握力、立ち幅とび、腕立て伏せ、反復横跳び、上体起こしなど。 一次試験の中で実施する地域もあります。 |
公務員試験は一般企業と異なり、選考期間が⻑いです。結果がわかるまでに時間がかかるので、2019年度の日程を参考に心構えをしておきましょう。
※2020年度の試験日程はコロナウイルス感染症拡大の影響により例外的なスケジュールで実施する機関が多くありました。